2018年1月17日水曜日

けっちんこわい  ~キックが戻らないRT1~


組み上がったエンジンを車体に載せ、早速テスト走行へ。
2スト360ccの力強いトルク感を楽しみながら小一時間ほど走った後、休憩のために行きつけの珈琲屋さんで一服。
さぁ、再出発しようとキックアームを踏み込んだ時にヤツはやってきたのです。


強烈なケッチンをくらってしまいました。。


ケッチンとは・・
キックスタータを備えたバイクのキックレバーを踏み込んだ時、圧縮工程のシリンダーのピストンが反発することにより一時的にエンジンが逆回転することがあり、キックレバーが弾き返されて足が弾き返されたりふくらはぎを強打することを指す俗語。単気筒エンジンで起きやすく、・・・排気量の大きい単気筒エンジンなどでは反発力が強く、骨折する場合もある。(Wikipediaより抜粋)

あまりの足首の痛さにその場で立っていられず、うずくまってたら珈琲屋さんだけでなくお客さんまで大丈夫ですか!?と心配されてしまい、、
これはカッコ悪いゾ!と思い、アブラ汗流しながら足を引きずりRT1を押して逃げるように退散。


見事に腫れました。
折れてなくてよかった。。。


点火時期が早すぎたか?と確認するもピッタリあってるし。
色々と調査するも、特に問題もなく、、

単純に自分のキック力が無さすぎなだけかと思いながら、色々調べてると、RT1が発売された当時、この強烈なケッチンのために降りる人が多かったそう。
そこでヤマハは、ケッチン対策にデコンプを追加することに。


そう、このRTにも付いてました付いてました。


SRのような4ストはロッカーアームを押して排気バルブを開き、圧縮を抜きますが、吸排気バルブのない2ストは、デコンプ用バルブを直接シリンダーに設置し


このようにバルブを開けることで


シリンダーの小さな穴から排気ポートへ圧縮を抜いています。

デコンプってSR乗りには馴染みのある機構ですね。
キックする際に、レバーを引き、圧縮を抜いて上死点(キック蹴り始め位置)を探り易くするアレです。

と、いう風に使うものだと頭にあったので、デコンプは使わずにキックしていました。
上死点越えはデコンプ使わなくても2ストだと楽に出来ちゃうので。

しかし、そこが大きな間違い!

2ストのデコンプは蹴り始め位置出し用ではなく、デコンプを効かせたまま、圧縮を抜いたままキックし、キックアームを勢いよく踏み切るためにあるんです!!

最後まで踏み切ればラチェットが外れてギヤは空転し、ケッチンから逃れられるようになっています。
踏み切らずに途中で止めてしまうと、、ギヤが外れずにパチーーーンッ!!※1と激しいケッチンが。

※1 4ストのケッチンは重いハンマーで足の裏をドンっ!と突かれる感じですが、2ストは金属バットでフルスイングされるイメージ

ちゃんとしたデコンプの使い方をすると、かなりの確率でケッチンを回避することが出来るようになりました。
(でも、たまにあの恐怖からビビッてしまってまたケッチンを。。)

ケッチンこわいですねぇ。

そして今はケッチンを心配してくれる心優しい美女がこわいこわい※2
※2 落語『まんじゅうこわい』参照のこと




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