2019年10月12日土曜日

ヤマハ RD400 オイルポンプOH 

あるオートバイ屋さんでオイルポンプをオーバーホール(以下OH)したが、すぐにポンプからオイル漏れを起こし焼き付きました。
再度、そのオートバイ屋さんにオイルポンプのOHを依頼したが、数週間くらいでチャンバーからの白煙量が極端に少なく感じたので、オイルポンプを確認したところ、シャフト上部からオイル漏れしてました。

というオイルポンプのOHをします。






ポンプボディのガスケットが変わっているので、分解されたのは確かでしょう。


しかし、最小ストロークが0.03mm以下になってました。
これでは、スロットルオフ時のオイル吐出量がほぼゼロです。


分解しました。
内部部品に大きなダメージや消耗はないように見えます。

が、


ありました。



プランジャーにキズ痕が。

この位置にキズが付くということは、


こいつ


このプーリーの留めている小さなボルトを締めすぎると



ボルト先端がこんにちは。
これではプランジャーを締上げてしまいます。

プランジャーが締上げられたことで、シリンダーに対してプランジャーが斜めに押される
シリンダーに挿入してあるオイルシールがプランジャーに押されて斜めになる
オイルポンプ上部からオイル漏れ
オイルが圧送できなくなる

といったところでしょうか。



もう少し古いタイプのポンプでは、



ボルトではなくスプリングピンで留まっています。 


スプリングピンはネジの様に止まるところがないので、奥に奥にと入っていきます。
プライヤー等で挿入するときに気を付けないと、プランジャーの動きを完全に止めてしまい、エンジンの駆動力でポンプ内部のギヤを損傷、
そのままエンジンも焼付いて終了と悲しい結果になります。

作業ごとに確実に作動するか問題ないか確認することが重要です。






さて問題のボルトは、先端を落として


各部品を超音波洗浄し、


RD400のポンプはチェックボールが入るノズル部分が分解出来ない圧入タイプなので、
ノズル先端を曲げた洗浄スプレーで


ブシュ―っ!と洗い流しておきます。


オイルシールは治具を用いて確実に挿入し


シリンダーカムの部分は潤滑オイルが来ないので、グリスを盛り上げておきます。




全て組んだ後は、テスト台に載せて
オイル吐出チェック、各部リークテスト、チェックボールの作動確認を行い、
問題ないことを確認して完成です。




















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