1週間もブログを空けてしまいました。。
あまりにも香嵐渓でのレースが楽しかったものですから、余韻に浸りに浸ってフヤフヤになってました。
いつまでもフニャ陳じゃなかったフヤフヤではいけませんので、スズキさんのTS90の続きを書いていきましょう。
ヤマハのエンジンでは見慣れないものがありますね。
ドライブスプロケットの後ろにオイルポンプ。
ミクニ製のポンプでキックギヤから駆動を取り出してます。
どうしても大きくなりがちなロータリーバルブエンジン右側を少しでもコンパクトにしたかったか。
ただ、チェーンの後ろ側になるので、少し整備性が気になるところですねえ。
(ヤマハのはクランク軸右側からの取り出しでキャブの後ろ側にあり)
電装の後ろにあるクランクシール。
漏れ出た跡あり。要交換です。
洗浄して、左側のオイルシールは全て交換しました。
次は反対のクラッチ側を確認します。
長く動かしていない車両あるあるのクラッチ張り付き。
剥がす際に摩擦材がボロボロと崩れ、プレートクラッチも錆、偏摩耗がみられましたのでセットで交換します。
クランクベアリグはとても良い状態。
クランク軸に入るOリングを忘れずに交換し、
クラッチ側のシールはオイル中にあるので、反対側と比較して劣化しにくいのですが、開けたタイミングで必ず交換します。
オイルシール自体はとても安価なのですが、後でここだけ交換となると工賃がえらいことになりますからね。
しっかりトルク管理して、新品のロックワッシャーで固定
さてさて、これ。
クラッチのプッシュロッドですが、
中央に孔加工がされていて、なにやらコストがかかってますね。
クラッチスプリングの留め方もピン留めってスズキさん独特ですね。まぁ、ずっとテンションがかかっているので外れることはないでしょうが、ちょっと不安にはなります。。
話逸れました、、
クラッチに組み込むと、プレッシャープレートからプッシュロッド軸端が出てきまして、
ケースカバーにあるオイルシール嵌るような構造。
開発時にプッシュロッド軸端が摩耗でもしたんでしょうね。
クランクケースカバーに掻き上げられたオイルを少しでも集めて、わざわざオイルシールまで使って、なんとかプッシュロッドへ給油しようと苦労した様子が伺えます。
その他のOリング、シール類も全て交換して、クラッチ側も完了です。
次は腰上
シリンダーは、内燃機屋さんで最小限のホーニングでクリーニングしてもらいました。
ボアの変化量は、3μm (測定時の温度が違うのであくまでも参考値)
ピストンは、元のをカーボン除去と傷の修正をし、小端ベアリングは新品に入替え。
リングは、デッドストックのSTDサイズに交換です。
すっぽんすっぽんとスムーズに回転。
キレイなピストンにシリンダーは気持ちいいー♪
最後にシリンダーヘッドを規定トルクで締上げてエンジンはほぼ終了!
初めてのエンジンは記録をとりながらの作業で神経と時間を使いますが、当時の開発者の考え方や苦労のあとを手に取ってみれるのは大変興味深い。
ほんと仕事で楽しんじゃって申し訳ありません♪
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