YZ125E('78)のエンジンオーバーホールのご依頼です。
『何か吸い込んでピストンにキズが入ってしまったので、ピストン交換してください』
とのことでしたが、
腰上を外し、クランクをチェックしてみると、
コンロッド大端がガタガタでした。
クランクを分解すると、大端ベアリングが粉砕しており、
ピストンとヘッドの痕は、粉砕したベアリングの破片とピタリと一致しました。
クランクをバラした写真を忘れてしまった。。
シリンダー壁面は全周にわたって深めの縦キズが入っていました。
ピストンクリアランスを測定すると、0.120mm
使用限界の0.100mmをオーバーしています。
1サイズオーバーでボーリングしておきました。
内燃機屋さんでポートの面取りもしてもらっていますが、触診してチェックします。
オイルを付けた指で触り、角を感じる部分を追加研磨しておきます。
クランクケースとシリンダーの3面合わせ部分
軽くオイルストーンを当てると・・・
面が波打っているのを発見。
ガスケットで吸収できるかもしれませんが、
ここから2次エアを吸い込むと焼き付きの原因にもなるので、キレイに研磨しておきましょう。
クランクはコンロッド、ベアリングを新品で組み直し、
トランスミッションも分解洗浄して、クリップを交換して組み直します。
もちろん、各軸のベアリング、オイルシールも全て交換です。
クラッチ周りもヘタっていたので、新品でリフレッシュ。
インテークマニホールドのゴムがヒビだらけですが・・・
残念ながらNOSもリプロも見つけられず、上からゴムを塗り込んで延命措置を施しました。
YZなど輸出があったモデルは比較的、部品が出やすいですが、ゴムやプラスチック部品は、なかなか出てこないものもあります。
もし見つけたら迷わず手に入れましょう!!
エンジンを車体に載せ、補器類を取り付けて完成!
先日のサンダでは、気持ちよさそうに走ってましたね。
顔がニヤけてましたよー。
ご依頼ありがとうございました!