2020年7月26日日曜日

個人売買で入手されたHS1を整備する その2 エンジン腰上の様子


HS1のエンジンを診ていきましょう。
さっさと腰上を外しました。
2stなので、楽なもんです。


まずはクランク、コンロッドの周りの確認をしていきましょう。

クランクがダメだとエンジン全バラになり、費用も期間もグンとあがってしまいます。
この車両は摩耗限界値以内で、今回はバラす必要なし。
セーフ!


外したピストン、シリンダー


右気筒のピストンに軽く抱き付いた痕があります。


シリンダーはリングが摺動する部分のクロスハッチが消失し、


ピストンの傷に対応している部分に傷が見られます。
傷自体は重症ではないので、軽く修正とホーニングで対処できそうです。


洗浄した後、ピストンクリアランスを計測して摩耗量の確認します。


計測した結果は以下の通りでした。

ピストンクリアランス
L側:43μm
R側:27μm

新品規定値:25~30μm
摩耗限界値:100μm

R側が新品規定値内に入ってますが、シリンダーの摩耗具合からすると、過去に右ピストンがなんらかのトラブルで交換された可能性が考えられます。

現状をオーナー様に伝え、

L側は、少し大きめの中古ピストンと入替え
R側は、現ピストンの傷修正し
シリンダーをホーニングして、傷の修正とピストンクリアランスを調整
ピストンリングは左右ともに新品に交換

とすることにしました。




抜いたギヤオイルはキレイですが、量がやや少ない。
通常は500~600ccは出てくる。

やはりアレがアレかもしれないと。

次回はクラッチ周りの点検とオイルが少ない原因を探っていきます。





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