2020年8月18日火曜日

個人売買で入手されたHS1を整備する その10 最終問題

 


車体の整備も終わらせ
(基本整備なので記事にはしてない←サボっただけ)
いよいよ試走です。

が、なんか変です。
合わせたはずのアイドリングが妙に上がっていて、スロットルを開けても詰まった感じです。

明らかになにかおかしい。

こういう時は、直前に行った作業に問題があることが多いです。

では、直前の作業はなんだったかと言うと、


エアクリーナーボックスを取り付けました。



おや?
エアクリーナーボックスとキャブを繋ぐジョイント内側に何かがある。

外してみると、ジョイントの内側のゴムが延びてヒダができてる。


キャブにつけるとこう。


これが不調の原因だな。
延びた内側のゴムがキャブの吸い口を塞いでたよう。


エアクリーナーボックスの差し込み部とジョイントゴムを接着剤で固定しても、そのうち剥がれそう。
なので、ゴムの間には差し込まずに上から被せて対処しました。


ビンゴ!!!

リトルツインの気持ちいい加速感が戻って来ました♪

お待たせしました。
もう少し慣らしを兼ねた膿だしをしたら納車です。


2020年8月12日水曜日

戦友

 

今でも大切に冷凍保存してあるんだ。


また北海道にキャンプツーリングしたいな。

2020年8月8日土曜日

個人売買で入手されたHS1を整備する その9 ひっかけ問題

レクチからバッテリーへの燃えた配線を交換し、無事にエンジン始動したHS1。

問題なく充電できているか確認のためバッテリー電圧をモニターしてみました。


上の写真は、エンジン始動後レーシングしているときのバッテリー電圧です。
アイドリングから0.1Vしか上昇していません。

下の動画を観てもらえると結構回しているのがわかると思います。
回してほとんど電圧変化なしということは、充電していないです。


入れ替えた配線を再確認しても問題なし。


ポイントは修正していますが、充電系とは関係ない。

ジェネレーターのコイルが断線しているのか?
はたまた磁力が極端に低下しているのか??

とりあえずコイルの抵抗値を測定しようとカバーを外した瞬間に犯人がわかりました。


ジェネレーターからの出力線のうち、黄色線と白線が入れ替わっていました。
正しくつなぎ直すと、


ちゃんと電圧が上がるようになりました。


後のテスト走行時には15V以上出ているので、発電は問題なしです。

ちなみにHS-1はレギュレーターを搭載していません。
開放式バッテリーをレギュレーターの代わりしています。

開放バッテリーは、バッテリー液を電気分解させたガスを外部に放出できるため、過充電にも対応できますが、レギュレーターを持たないシステムで、開放式バッテリー以外の密閉式(MF)バッテリーやリチウムイオンバッテリーを使用すると過電圧でバッテリーが膨張、爆発しますので、安易に入れ替えたりしないようにしてください。



2020年8月4日火曜日

個人売買で入手されたHS1を整備する その8 いよいよエンジン始動!


さて、エンジン側は準備が整いましたので、バッテリー繋いで火入れをしましょう。

ん??
配線が・・・



レクチからバッテリープラスへの赤配線が溶けてます。
過電流が流れたのか、危うく車両を燃やしてしまうところでした。


ヒューズBOX



 配線の被膜が縮んで中身が露出、劣化していたので


ブレードヒューズに入れ替えました。
オリジナルの管ヒューズから変わってしまいますが、入手性を考えての変更です。


アース線も入れ替えます。
加えて、バッテリーからエンジンへのアーシングも行いました。

元のアース線(左の緑)は端子のカシメは不完全なうえに、塗装が載ったフレームに取り付けられていました。
残念です。


ウインカーリレーの電源(茶)が常時電源(赤)から取られてます。
もちろん、これでも作動はします。
常時電源なので、キーのON/OFFに関係なく作動しちゃいますが。


燃えた配線を入替え、アースをしっかり取り、各コネクターは一旦外して接点をクリーニングしたのち綺麗にまとめました。


バッテリーを取り付けますが、バッテリーを押さえるバンドが無くなっています。
このまま乗っている人も結構いますが、バッテリーが揺れるとプラス端子がフレームと当たってショートしたり、バッテリー内部の破損につながります。

ここのバンドはメーカー廃番なので簡単に手に入りませんので、


ヤマハ部品で使えそうなバンドを探しました。
これはYZF-R25のバッテリーバンドです。


フックがHS-1には少し小さいので、バッテリーケースのツメをヤスリで削りひっかけられるようにすると、バッチリです。



無事、エンジン始動です。
サイレンサーを外しているので、90ccでもレーシーな音してますね。



2020年8月2日日曜日

個人売買で入手されたHS1を整備する その7 点火系と燃料コックの整備



腰上、キャブレターが整いましたので、エンジンをかける準備をします。
ピストンを入替えているので、点火時期を確認しています。

2ストの点火時期はピストンの位置で合わすので、プラグホールにダイヤルゲージを装着して指定された位置にピストンが来るようにクランクを回します。

HS1だと、点火時期はBTDC 1.8mm

ピストンが一番上になる位置から1.8mm戻したところという意味です。

この車両は、点火位置マークが少し進角側にズレていたので、調整し直しておきました。


ポイントとコンデンサーを外し、ポイントの接点を確認します。


接点がななめになっており、


接点面も多少荒れているので修正していきましょう。


ポイントを分解します。
接点面の形状修正をする場合、よくある紙やすりを挟んでゴシゴシする方法は使えません。
表面のクリーニング程度はできますが、ポイント接点は硬いので形状修正までは厳しいです。


ポイントの形状修正には、ポイントヤスリやダイヤモンドヤスリを使いましょう。



二気筒なのでもう一組も同様に修正しました。


ポイント点火周りで忘れられがちな存在の『カム給油フェルト』


ポイントのヒールとカムを潤滑させるために、オイルを染み込ませカムに触れるように位置調整しておきましょう。
カラカラに乾いていたり、届いてなかったりと機能していないのをよく見かけます。


 ポイント、コンデンサーを戻し、ポイントギャップ調整をしてひとまず完了です。
点火時期の最終確認と調整は、エンジン始動後にタイミングライトを使って行います。



続いて滲みが出ていたガソリンコックを整備しましょう。

滲み出ていた箇所は2箇所。
タンクとの接合部とレバー部です。


バラシて洗浄します。
コック本体には問題はなかったので、ガスケット交換で直るでしょう。


レバー部からの漏れは、ガスケット(通称レンコン)が痛んでいる場合が多いのですが、


コックを押さえつけているスプリングワッシャーがヘタっている場合もあります。
付いていたワッシャーと新品のワッシャーを重ねると、へたり具合がわかりますね。
 レバーが緩くなってきたら、レンコンとスプリングワッシャーの交換時期です。


これでガソリン滲みは完治しました。

そして、ここが最重要ポイントです!!!
ガソリンホースを外したら、ちゃんと元に戻してからコックONにしましょう。


ワタクシは戻し忘れたままONにして大慌てしてしまいました。。。


2020年8月1日土曜日

個人売買で入手されたHS1を整備する その6 ちっこいキャブレター


ホーニングに出していたシリンダーが戻って来ました。
組む前に洗浄とクリアランス確認を実施します。
指定したクリアランス通りでした。さすがです。


ケース合い面をキレイにして、ピストンとスタッドボルトを植え付けます。


ヘッドを載せて、シリンダーの芯出しをして腰上は完成です。
2ストは楽チン♪


当時モノのヘッドナットは普通のナットですが、今、ヤマハ純正で発注すると袋ナットになってます。
こちらの方がトルクがかけ易く、また見栄えも良いです。

高いのが辛いとこですが。。。しかも8個必要だし。。


キャブレターも分解確認と洗浄を行います。


特にダメージはなさそうです。
各部品を超音波洗浄機でキレイにして、ガスケットを入れ替えます。


このキャブの難しいところ、というか厄介なところは、
シリンダーとの接合部のシールです。
シリンダーの吸気パイプにキャブが刺さり、クランプで締上げる構造ですが、


ベークライトのインシュレーターが摩耗したり、欠けたりで、2次エアを吸い込んでる個体が多いです。
このインシュレーターは部品設定されていないので、個別の入手がかなり難しい。


ということで、一旦キャブからインシュレーターを傷つけないよう慎重に抜き取り(これがまた難しい)、キャブ本体と接する面を修正した後に耐ガソリン用の液体ガスケットを薄く塗布して組み直します。

キャブレターに液体ガスケットは使いたくないのですが、今のところ、この方法が二次エア対策には有効でした。

とはいえ、
何も考えずにマネしないように。

この記事を読んでマネして調子悪くなっても知りませんよ。
自己責任でお願いします。
大人ならね。