2021年9月18日土曜日

DT1の低速ってこんなんだったかな? ’69DT1Bの整備 その6


DT1純正はミクニキャブ


フロート内を大気圧に保つ通路に何か詰まってますね。
ここが完全に詰まると、ガソリンが落ちてこなくなってガス欠症状みたいになります。


フロート内部はキレイな方です。


ですが、Oリングはしばらく交換されていない様子。


ゴムの弾性はなくなり、カチカチバラバラです。
この小さなOリング、実はとても重要な役割をしています。


DT1のキャブはフロートチャンバーにメインジェットホルダーがつきます。


これ。
キャブをエンジンから外さずにジェット交換できる構造ですが、


先のOリングは上の③の部分に挿入されます。

フロートに溜めたガソリンは
①の穴から入り、
②にあるメインジェットで計量されて
③からキャブレター上部へ移動し、
エンジンに供給されています。

賢明な皆様はもう気が付きましたね。
Oリングに不具合があると、メインジェットに関係なくガソリンが供給されてしまいます。
いくらメインジェットを絞ってもプラグは真っ黒べちゃべちゃ。
モーモー言って全く吹けないエンジンになります。




ノズルやバルブも年式相応な感じ。


チョークバルブも完全に硬化
ここも硬くなると無駄にガソリンを吸い込むことになります。
ずーとチョーク引いてるのと同じ状態。


とりあえず、超音波洗浄しますが


中身は一新しましょう。
ヤマハ純正でも手に入りますが、
便利なのはキースターさんの燃調キット


手に入り難いノズルが新品になるうえに




ガスケットやOリング、そして各種ジェットからニードルまで付属し、
セッティングの幅も広がります。


DT1用にはチョークプランジャーまで入ってます。
これで4,400円は安すぎませんか?


フランジに入るOリングも付いてます。


このフランジ、大概、変形してます。


ほらね。
二次エア吸わないようにと、みんなナット締めすぎて変形させちゃうんです。
最悪、カッタウェイの動きが悪くなって、キャブが張り付く(スロットルが戻らない)ことになります。



新しいOリングにして、かつ少しボディに手を入れて締め代を上げてあります。

そして、ナットはセルフロックタイプに替えて、
変形しない&二次エア吸わない良いところで締上げます。


キャブが出来たら、エアクリーナーエレメントも交換です。


朽ちて粉になったエレメントがジョイント内にびっちり。


DT1Bのエレメントは紙で乾式ですが、紙を剥がして湿式にされてました。
乾式はエアクリボックスの蓋ごと交換するタイプ。


後期の湿式フィルターが入るように乾式の底を取っ払い。
(前期の乾式フィルターよりも全長が長い)

後期用は現在でもヤマハ在庫あり。すごいね♪

さぁ、エンジン再始動まであと少し頑張りましょう!



2021年9月10日金曜日

どこか遠くへ

 コロナが落ち着いたらバイク旅がしたい







いましばらくは

がまん

ガマン

2021年9月8日水曜日

DT1の低速ってこんなんだったかな? ’69DT1Bの整備 その5

 

内燃機屋さんにお願いしていたシリンダーボーリングが完了し、戻って来ました。

元はSTDサイズだったのですが、ポート周辺の摩耗量が多く、0.25ミリオーバーでは対応しきれずに更に上の0.5mmオーバーとなってしまいました。

ピストン、リングのバリ取りを行い、組み付けていきましょう。


腰上はピストンとシリンダーだけ。
2ストはシンプルでいいね。


点火時期のセットをしていきます。

4ストの点火時期は上死点前◎◎°(BTDC**deg)と角度で示しますが、
2ストは上死点手前**ミリというような合わせ方をします。

ダイヤルゲージをセットして、上死点でのピストン位置をゼロセットし、


ジェネレーターコイル側にあるこのプレートと


フラマグ側の切り欠きが、規定値(DT1の場合、上死点前3.2mm)で合うか確認します。

が、、


このようにウソをついている個体もたまーにあります。
これで、上死点前2.55mmでした。

このウソに気づかないと、『ポイントギャップをいくら調整しても点火時期がズレる症候群』に陥ります。

3.2mmになるようにコイル側のプレートを曲げて調整しておきました。


フラマグのこの部分は、ポイントブレーカーと接するカムです。

ここが痛むとブレーカーのヒールが摩耗しやすく、ポイントギャップも取れなくなります。

定期的に分解し、サビや汚れを除去して、薄くグリスを塗布しましょう。


また、ここにあるフェルトはカム山の給油用です。

オイルやグリスを含ませて、フラマグのカムに当たるようにしておきます。

ちなみに、ヤマハ純正のフェルトはまだメーカー在庫アリです。


次はキャブをリセットしていきましょう。

2021年9月6日月曜日

DT1の低速ってこんなんだったかな? ’69DT1Bの整備 その4

排気ポートのタイミングが変更されていたDT1B

ノーマルに戻すという方針に決定したので 


ノーマルシリンダーを準備致しました。
内燃機屋さんへ送ってボーリングしてもらいます。


ボーリングが上がってくるまでに、腰下の確認と整備を進めます。


ジェネレーターを外して、クランクシールの確認です。
このタイプのオイルシールは純正品。

自分がDT1をやり始めて10年程経ちますが、
当時、すでに純正オイルシールは廃盤で入手困難でした。
ということは、この車両も近年、シール交換されていないはずです。


ほら、リップに弾性はなくカチカチプラッチックです。


外して確認すると


リップが装着状態のまま戻って来ません。
ゴムではなくなってます。

これはNOSの純正オイルシール


外したシールとリップを比較してみてください。
変形具合が判ると思います。

しかし、このNOSのオイルシールは使いません。

まだ柔らかいとはいえ、やはり少し硬化しているのでクランク軸への攻撃がありますし、シール効果が望めません。


現状、入手しやすいのはリプロ品のオイルシールでしょうか。

国内有名メーカーの汎用オイルシールで同サイズのものもありますが、
リップ形状とゴム成分をみていると、少し不安が残るのです。


まぁ、このリプロ品も似たようなものかな思いますが、、、
(いや、大陸製と思われるリプロより国内品の方が安心か)

リップ形状も材質も純正品と比べたら、残念ではあります。
唯一、安いということで頻繁に交換できるのがメリットでしょうか。

このクランクシール問題は、只今、当店にて違う方法で対策を考えております。
早く試作、テストして商品化できるように頑張ります。


それまではリプロ君に頑張ってもらいましょう。

2021年9月4日土曜日

DT1/DT1F クラッチレリーズ ウォームギヤ 打ち替えいたします


DT1/DT1F('68~'73)のクラッチレリーズ

樹脂製のウォームギヤにクラック


クラック


コチラは泣き別れ

多くはこんな感じになってるのではないでしょうか。


ギヤが割れると作動時にギヤが開くような動きをするので、クラッチの動作が重く感じられます。

交換するにも純正品はもちろん廃番。
リプロ品もない。
極々まれに出てくるNOSは超高額。
ヤフオクで相手部品のカバーとセットで売られてるものは、
競って高くなるうえに、ハズレを引く可能性もあり。

困ったさんです。

さようなら。。。






しかーし!そんなお困りの貴方に朗報です!

本日ご紹介いたします商品はコチラ!!


真鍮製のウォームギヤ!!


樹脂製のギヤを撤去してプレスで圧入します。


樹脂ギヤさん、お疲れ様でした。



割れた樹脂ギヤとは雲泥の差です♪

打ち替え作業を承ります。

お値段は、15,400円(税込み、送料別)です。

お客様のレリーズとクラッチカバーを当方に送ってもらい、
こちらで組立てて、初期馴染み加工を行った後、返送致します。


なお、ギヤ単品の販売は致しません。

ギヤと相手部品のカバーとの相性があるため、
組合せによっては作動不良となるためです。




ご依頼、質問等は、


email:akomotorcycle@gmail.com


からお願い致します。