2022年10月2日日曜日

ヤマハDT1Fの点検と12VCDI点火化 その5 クランクケースの下ごしらえとベアリングの準備


予洗いしておいたケースの雌ネジを綺麗にして、ケースを仮組みします。


ピン ダウェルはケチらず新品を使いましょう。
左右のケース位置決めのする重要な部品です。


クランクをいれてしまうとやり難いデッキ面の面出しをしたのち、
もう一度ケースを洗って下ごしらえは完了。


圧入するベアリングを準備しましょう。

基本、YAMAHA純正を使っていますが、
1箇所だけ廃番になっているのでNTNの汎用品を用います。

ちなみにヤマハから出るクランクベアリングは、こっそりC4スキマに変更(他モデルとの共用??)されてますね。
(DT1Fの指定はC3スキマ)

スキマが大きくなる方向なので、多少音が出やすくなっているかも。
まぁ、他のノイズが大きいので聞き分けるのは至難の業だと思いますが。

 

2022年9月12日月曜日

クランキングOKという甘い罠 ~ヤマハDT1のクランクシャフトあれこれ~

DT1Fのクランクリビルドのお話ついでに、

個人売買オークションで仕入れたクランクについて。

オークションの説明には

『クランキングOK!

分解するまでは動いていました!!』



分解してみると


あら



確かにコンロッドは固着していなかったけど、、、

大端ベアリング粉砕してるし。


正しく説明すれば、

『(壊れたので)分解(しましたが、壊れる)前までは動いていました。』

ですね。


はい、もうひとつ別のクランクを。

説明には『レストアベース』と表記されていたクランク


 



こっちは大端ベアリングが溶けて一体化してました。

確かにレストアベースですが、ジャンク品です。


個人売買オークションのクランキングOKという車両は、こういうのもあるからご注意を。


2022年9月5日月曜日

ヤマハDT1Fの点検と12VCDI点火化 その4 クランクをリビルドする

 


クランクを摘出しました。



クランクシール(L)が接する部分を拡大してみましょう。

ぱっと見そんなに摩耗してないようですが、しっかり爪が引っかかるレベルの摩耗です。
新しいオイルシールに交換しても、締め代が足りないのでまた漏れてきます。


クランクを分解してコンロッド周りを確認していきましょう。


DT1Fは125mmコンロッド。
※DT1は130mmコンロッドで別物です。


大端内径の様子。
両端部分の摩耗と起動面に錆穴があります。


小端内径
こちらにも錆の痕があります。


大端ベアリング
保持器が大端内径と接触し摩耗しています。


大端サイドワッシャー
これも摩耗してコーティングが無くなっています。


大端ピン
軌道面に錆あり、サイドワッシャーによる摩耗もあります。

このように50歳を越えたDT1、DT1Fのクランクは錆が発生し、摩耗しているものが多いです。

個人オークション等でよくある『現在不動車。クランクは回ります』な車両。

引き揚げてクランクの状態をよく確認せずに、キャブと点火系を直して、
エンジン始動バンザーイ!

ってやると、大端内径に出ていた錆を起点に軌道面がうろこ状に剥がれ、
ベアリングは粉砕し、ガラガラと大きな異音を出しながらエンジン死亡

なんて悲しいことになります。

なるべく2次被害を抑えるためにも、分解して直接クランクを確認することをオススメします。


ということで、リビルドクランクの完成です。


摩耗していたクランク軸(L)はハードクロムメッキにて純正新品以上の精度と耐摩耗性に


コンロッドはDT250用リプロを流用しています。

大端ピン孔を1mm拡張し、φ25ピン化しました。

DT1Fと同じ125mmなDT250コンロッドですが、大端ピン径がφ24からφ25へと1mmUPしています。

ヤマハの大端ピンは、DT250以前のDT1、DT1Fがφ24、(YZやRTはφ25)で、
以降は現行のモトクロッサーまで全部φ25となっています。
ヤマハとしてはφ25が答えだったのでしょう。

DT1系の大端ベアリング、サイドワッシャーは現在もメーカー在庫ありですが、肝心のφ24大端ピンが廃盤。

海外にはNOSがたまに出てきますが、状態がアレなのも多く、供給も不安定です。

対して、DT250コンロッドはリプロが複数存在し、国内リプロメーカーもありますし、当面の供給は問題ないかなと思います。(希望)



摩耗した純正コンロッド、純正φ24ピンを再生させることもできます。

費用はお小水ちびりそうなほどにかかりますが。。。





2022年9月3日土曜日

第49回 朝霧高原スクランブル大会 2022年8月21日


2022年8月21日 スタックランドファームで行われた

【第49回 朝霧高原スクランブル大会】

の様子です。

動画は『おバカで行こう!』さんから拝借


そうそう、この雰囲気!

ジャパニーズモトクロス!

伝統の朝霧です!!


今回、予定が合わせられず参加できなかったので、
来年の第50回記念大会には絶対参加したいと思います!


2022年8月13日土曜日

ヤマハDT1Fの点検と12VCDI点火化 その3 クラッチ周りの確認

腰上の点検までしたDT1F
現状をお伝えしたところ、しっかりと診て欲しいとのことでしたので、
エンジンを下していきます。

ドライブスプロケットナットにタガネで叩いて緩めて締めた痕あり。

まぁ野蛮だわ。いやん。


オイルドレンボルトにシールテープ巻くの趣味な人いるよね。
しかもドレンボルトにオイル排出の穴を追加してる。
オイル抜くのにボルト抜き取るのメンドクサかった?
でも、もし中折れしたらメンドクサいよね。


車体からエンジンを下しました。


クラッチカバーを開けますと、最近組まれた感じのキレイなクラッチが見えてきました。


クランクシール(R)はヤマハ純正ですね。



シールを外してリップを押してみます。

ゴムなので柔らかいはずですが、それは昔の話。
今やけっこうな力を入れて押しても全く変形しない。
まるで老害全開頑固クソジジイみたいです。

崇拝する高田純次先生が仰っていました。
歳をとってやっちゃいけないことは、「説教」と「昔話」と「自慢話」


老害頑固オイルシールにやられちゃってるプライマリードライブギヤ

摩耗しちゃうとオイルシール摺動部と一体型になってるので、まるっと全交換になります。
もちろん、メーカー廃番ね。


クラッチもばらしていきましょう。


クラッチプレート
錆が出ているので、研磨修正か新品交換


フリクションプレート
摩耗量は少ないですが、一部欠損しているのもあるので新品交換にしましょう。


段付き処理されてからそんなに走ってない感じ。


クラッチセンターのメタル
ここが摩耗すると、クラッチAssyが傾くのでエンジン右側からカラカラ音が出てきます。

対策しようにも、メタルの部品設定がないので単品交換は不可。
サイズが微妙で汎用品が使えないのがツライ。


その軸にあたるカラー
ここも大概、段付き摩耗してます。
幸い、いまのところNOSで入手できるので交換できます。

比較的、部品が入手しやすいDT1系ですが、ないものはない。
今後NOSも減る一方だから、なんとかしないとなとは思ってます。

あ、思ってるだけ。(テキトー)

2022年8月11日木曜日

ヤマハDT1Fの点検と12VCDI点火化 その2 クランクシールと腰上の確認

 
漏れてたオイルシールを取り外して、クランク軸の状態確認をします。


おー!
オイルシールが入る部分を1段削り落として、圧入時の傷付き防止対策をしてるのか!


と一瞬思いましたが、実はキッチリ段付き摩耗しているだけでした。

このように爪が引っかかるくらいに摩耗してしまうと、新しいオイルシールに交換してもすぐに漏れだします。


で、クランクベアリングですが、まだキレイですね。
最近交換された感じですが、そのベアリングが

『6306』

いわゆる普通スキマです。

クランクベアリングは内外輪とも圧入なので、C3以上のスキマが必要です。

外側からケースに締め付けられ、内側からクランク軸で広げられて、板挟みとなったベアリングタマタマさんは、狭くなったスキマの中でしか動けなくなり、早々に疲労していきます。
まるでブラックな会社の中間管理職のように。。。


反対側に移りまして、オイルポンプ


まぁ、いつものように漏れてます。
ガスケットも古いタイプなので分解整備します。


シリンダーを外してピストンの確認を。



吸排気方向ともに致命的な損傷はなし。よかった。。
ピストンリードバルブ仕様となったDT1Fのピストン、リングは入手困難になってきました。
先代のDT1よりかなり困難です。
あってもすんごい高価ですので、大事に使ってください。


小端ベアリング、ピンはそこそこお疲れの様子。
ここらはヤマハからまだ入手できるので、新品に交換しましょう。


クランクの様子も確認します。


大端サイドベアリングが摩耗限界を超えています。
小端の振れは摩耗限界値の一歩手前。
前出のクランク軸摩耗と併せて、リセットするかオーナー様とはゴソウダン。


シリンダーの様子


クロスハッチは消失、一部サビがでてます。


各部測定したところ、
シリンダーの偏摩耗は問題なし。
ピストンクリアランスは、摩耗限界値付近。
リングの摩耗は続投可能な範囲。

さっきも言いましたが、DT1Fのピストン、リングは入手困難なのでー

シリンダーを最小量でホーニングして、もう少しがんばってもらうことにしましょう。