エンジン始動後のアイドリングは何とかするが、
ギアを入れて走り出すと2500〜3000回転くらいでガス欠の様な症状で吹けません。
燃料コックから燃料の滲みがあり、オイルポンプからもオイルの滲みがあります。
という整備依頼のDT1です。
一旦、乗ってみて症状確認をしようと思いましたが・・・
オイルポンプからのオイル漏れが酷いので、ある程度整備してからにしましょう。
オムツが仕込まれていますが、もう限界超えて滴り落ちてます。
最小クリアランス(アイドリング時のオイル吐出量を決める大事なスキマ)は、0.07mm
ほぼオイル出ていない危険な状態。
ポンプを外しましたが
オイルが漏れるからといって、駆動軸部分に液体ガスケットを塗るのはやめましょう。
はみ出たガスケットが詰まったりしたら一大事です。
おやおや、、オイル吐出口にあるチェックバルブのスプリングが入っていないです。
ボールはありましたが。
このチェックバルブの機能は、ポンプからのオイル吐出圧力を安定させる機能のほかに、
エンジン停止時にオイルタンク内のオイルがエンジンに流れ落ちないコックの役割があります。
その機能が働いていないと↓↓↓
1次圧縮室にオイルが落ちて溜まります。
そりゃもうモクモクでございます。
では、本体を分解していきましょう。
ポンプボディのガスケット
少なくとも10年以上前の仕様の黒ガスケットが、張り付きもなく取れました。
極最近に分解されたと思われます。
チェックバルブのスプリングが入っていなかったこともあり、怪しさ満点です。
ダイヤル側のオイルシールを外すと
シールの嵌合部は腐食があります。
このまま新しいシールに交換しても、腐食で隙間ができて滲んできたりします。
ある程度、綺麗にしてから組み直しましょう。
こっちはボディ内部のオイルシールですが、
ゴムがカチカチのスポスポでした。
明らかに交換していない様子。
これじゃ漏れますよね。
デストリビューターの軸部分
おそらく錆がでていたのをペーパーで磨いたんでしょう。
ガサガサに傷が入っていました。
そのディストリビューターが回転することによって、プランジャがピストン運動し、オイルを吐出します。
これはプランジャーのピン。
このピンがディストリビューターと接触している箇所で、徐々に摩耗します。
現時点での摩耗具合はひどくないですが、このタイミングで新品に入替えておきましょう。
各部修正したあとは、超音波風呂でキレイにして
入ってなかったスプリングももちろん組込み、
テスト治具で吐出量、リークチェックを行ってから車両に戻します。
上記の作業を簡単にまとめた動画を張っておきますね。
参考にどうぞー。
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