2022年8月11日木曜日

ヤマハDT1Fの点検と12VCDI点火化 その2 クランクシールと腰上の確認

 
漏れてたオイルシールを取り外して、クランク軸の状態確認をします。


おー!
オイルシールが入る部分を1段削り落として、圧入時の傷付き防止対策をしてるのか!


と一瞬思いましたが、実はキッチリ段付き摩耗しているだけでした。

このように爪が引っかかるくらいに摩耗してしまうと、新しいオイルシールに交換してもすぐに漏れだします。


で、クランクベアリングですが、まだキレイですね。
最近交換された感じですが、そのベアリングが

『6306』

いわゆる普通スキマです。

クランクベアリングは内外輪とも圧入なので、C3以上のスキマが必要です。

外側からケースに締め付けられ、内側からクランク軸で広げられて、板挟みとなったベアリングタマタマさんは、狭くなったスキマの中でしか動けなくなり、早々に疲労していきます。
まるでブラックな会社の中間管理職のように。。。


反対側に移りまして、オイルポンプ


まぁ、いつものように漏れてます。
ガスケットも古いタイプなので分解整備します。


シリンダーを外してピストンの確認を。



吸排気方向ともに致命的な損傷はなし。よかった。。
ピストンリードバルブ仕様となったDT1Fのピストン、リングは入手困難になってきました。
先代のDT1よりかなり困難です。
あってもすんごい高価ですので、大事に使ってください。


小端ベアリング、ピンはそこそこお疲れの様子。
ここらはヤマハからまだ入手できるので、新品に交換しましょう。


クランクの様子も確認します。


大端サイドベアリングが摩耗限界を超えています。
小端の振れは摩耗限界値の一歩手前。
前出のクランク軸摩耗と併せて、リセットするかオーナー様とはゴソウダン。


シリンダーの様子


クロスハッチは消失、一部サビがでてます。


各部測定したところ、
シリンダーの偏摩耗は問題なし。
ピストンクリアランスは、摩耗限界値付近。
リングの摩耗は続投可能な範囲。

さっきも言いましたが、DT1Fのピストン、リングは入手困難なのでー

シリンダーを最小量でホーニングして、もう少しがんばってもらうことにしましょう。

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