2022年9月5日月曜日

ヤマハDT1Fの点検と12VCDI点火化 その4 クランクをリビルドする

 


クランクを摘出しました。



クランクシール(L)が接する部分を拡大してみましょう。

ぱっと見そんなに摩耗してないようですが、しっかり爪が引っかかるレベルの摩耗です。
新しいオイルシールに交換しても、締め代が足りないのでまた漏れてきます。


クランクを分解してコンロッド周りを確認していきましょう。


DT1Fは125mmコンロッド。
※DT1は130mmコンロッドで別物です。


大端内径の様子。
両端部分の摩耗と起動面に錆穴があります。


小端内径
こちらにも錆の痕があります。


大端ベアリング
保持器が大端内径と接触し摩耗しています。


大端サイドワッシャー
これも摩耗してコーティングが無くなっています。


大端ピン
軌道面に錆あり、サイドワッシャーによる摩耗もあります。

このように50歳を越えたDT1、DT1Fのクランクは錆が発生し、摩耗しているものが多いです。

個人オークション等でよくある『現在不動車。クランクは回ります』な車両。

引き揚げてクランクの状態をよく確認せずに、キャブと点火系を直して、
エンジン始動バンザーイ!

ってやると、大端内径に出ていた錆を起点に軌道面がうろこ状に剥がれ、
ベアリングは粉砕し、ガラガラと大きな異音を出しながらエンジン死亡

なんて悲しいことになります。

なるべく2次被害を抑えるためにも、分解して直接クランクを確認することをオススメします。


ということで、リビルドクランクの完成です。


摩耗していたクランク軸(L)はハードクロムメッキにて純正新品以上の精度と耐摩耗性に


コンロッドはDT250用リプロを流用しています。

大端ピン孔を1mm拡張し、φ25ピン化しました。

DT1Fと同じ125mmなDT250コンロッドですが、大端ピン径がφ24からφ25へと1mmUPしています。

ヤマハの大端ピンは、DT250以前のDT1、DT1Fがφ24、(YZやRTはφ25)で、
以降は現行のモトクロッサーまで全部φ25となっています。
ヤマハとしてはφ25が答えだったのでしょう。

DT1系の大端ベアリング、サイドワッシャーは現在もメーカー在庫ありですが、肝心のφ24大端ピンが廃盤。

海外にはNOSがたまに出てきますが、状態がアレなのも多く、供給も不安定です。

対して、DT250コンロッドはリプロが複数存在し、国内リプロメーカーもありますし、当面の供給は問題ないかなと思います。(希望)



摩耗した純正コンロッド、純正φ24ピンを再生させることもできます。

費用はお小水ちびりそうなほどにかかりますが。。。





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