2020年12月29日火曜日

ギヤ抜けする DT1F の修理 その2

前回の最後に答えを見せましたが、今回はそこにたどり着くまでです。
張り切っていきましょう!


車体からエンジンを下しました。腰上も無くなっていますがお気になさらずに。


ジェネレーター裏側にあるクランクシール(左)
純正のオイルシールのままですから、近年に交換されたものではないでしょう。
リップはプラスチックのように硬化し、オイルも少し出てきていますね。


クランク小端の振れを測って大端の摩耗具合を確認します。
小端振れ:2.7mm (摩耗限界値オーバー)

かなりコンロッドはお疲れですね。


クラッチ側のカバーを外していきます。
スラッジも少なく、オイル管理は問題ないようです。

ケースを割るのでクラッチも外していきます。


減小ギヤのナットを外しましたが、みなさまお気づきでしょうか。


コニカルワッシャーが表裏が逆さまに入っていました。
正しくは凸がナット側です。


シフターも外してケース割れました。
クランクがこんがり焼けてますね。


はい、犯人が現れてきました!



そう、コイツですよ!ダンナ!!


カム シフトの位置を決めるピンが盛大に摩耗しています!


こんなに擦り減っちゃって。。


ここまで摩耗すると、カムの位置決めはできても、ピンのセット荷重が足りなくなってくる。(ピンは後ろからスプリングで押されている)




そうすると、ある条件で少しカムが戻されてしまうので、今回のようなギヤ抜けになってしまったんですね。

ちなみにこのピンは、ケースを割らなくてもボルトを外せばスプリングとともに出てきます。
(今回のは変形していたので落ちてこなかったんですが、)

『自分でオイル交換しようとしたら!!
なんか見たことないピンとスプリングが廃オイルの中に落ちてるんですが!!??』

と、当店ではオイルポンプの問合せに次ぐ人気ものです。

もし外しちゃった場合は、そっと戻しましょう。





















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